第62章 たまには中学生らしく
撮り終えて落書きに移動しようとしたところ、さつきと2人でやって来いと言われたので彼女と2人好き勝手書かせていただいた
作業を終えてハサミで切り、一緒に来た彼らを探していると何か軽いものを弾き合う音がする
その方向へと足を進めると、ホッケーをしている4人とそれを眺める征十郎と緑間の姿があった
「終わったかい」
『これ切ったやつ、緑間もほら、いる?』
「…プリクラがラッキーアイテムになる可能性もあるからな、もらっておくのだよ」
「そうなったらこれ手のひらにのせるの?」
「それでは飛んで行ってしまうからな、ポッケに仕舞うなりしておこう」
『…そのまま洗濯しないようにね』
緑間ならそんな心配もいらないかと、残りの4枚を持ちながら未だラリーを続ける彼らを見る
涼太と大輝、紫原とテツヤでペアになり戦うその様子は大変盛り上がっており、目の前の2人は参戦しなくていいのかとちらりと彼らに視線を送った
「オレがいるとオレが勝ってしまうから駄目だと断られてしまったよ」
『うん?口にしてないのによく考えてること分かったね』
「オレは指挟むのが嫌だから断ったのだよ」
「テツ君頑張ってー!!」
隣で大きく手を振るさつきが応援するテツヤと紫原チームは、紫原の長い腕で飛んで来るパックをガードする
涼太と大輝は攻撃力が高く紫原が返したパックをすごい速度で打ち返すが、その先にテツヤの持つマレットが待っており勢いが強かったそれはそのまま彼らの間をすり抜け点となった
「クッソすり抜けた!」
「黒子っちがあんなとこいるなんて…」
「ナイス黒ちん~」
「青峰君が単純で良かったです」
「次はそうはいかねえぞテツ!」
「望むところです」
大変盛り上がっているホッケーは、最強の矛と最強の盾どっちが強い?という戦いだった
これがテツヤではなく緑間だったらなおのこと強かったのかもしれないが、紫原と彼は性格が合わないのでこれで良かったのかもしれない