第111章 最後の全中
『もしもーし、火神?』
《#NAME2#か?》
『そーそー。て言うか電話出る前に確認してよね』
その日の夜、身体を休めるよう選手達に伝えて廊下で火神と電話していた
実は最近和成への連絡並みに連絡してたりしなくもない…うん
『予選リーグ、突破した』
《青峰が居んだから当たり前だろ》
『そこでなんだけどさ』
《おう》
『決勝トーナメント、見に来る?』
意外と大きな声で言ってしまったのか廊下にあたしの声が少し響いた
火神は少し黙り込み、やっぱ遠いからダメなのかと考えていると意外な一言が返ってきた
《明日そっち着く予定って…言ってなかったか?》
『聞いてない』
《今親父が夏休みで家来ててよ、見に行きたいって言ったら連れてってくれるって》
『それ先言えよ!』
《わ、わりぃ
明日はそっち観光すっから、準決勝と決勝だけ見に行くからな、負けんじゃねーぞ!》
火神の電話越しの声に口角をあげながら乾いた笑いをする
そうすると予想外だったのか、えっ。という動揺の声が聞こえてこちらも少し動揺した
『…どこのチームに言ってると思ってんの?
最強帝光中なんだから、負けるわけないじゃん』
《青峰も居るしな!》
『あと、他の4人のキセキの世代も見てみなよ
桁外れだから』
《特徴とかねーのか?》
『全員スタメン』
《分かった。見てみるわ》
『ん。じゃね』
《おう!》
通話を終了させて溜め息を吐きながら壁へともたれかかる
残ったのは、虚無感