第62章 たまには中学生らしく

「ここ、ヘルメットないんですかね」

「テツ君やるの？」

「はい。せっかくなのでやってみます」

『テツヤのそのチャレンジ精神いいと思うぞー！』

「じゃあオレもやろうか」

「赤司はどうせ打つだろ」

「分からない。空振りしてしまうかもしれないね」

「赤司っちの空振りなんて見てみたいっスけどね！体育でかっこ悪いとこみたことないし！」

「そんなことないよ。名前はオレの格好悪いところたくさん見てきただろうしね」

『え、見たことないけど』


何の話をしているんだろうと考えるが、彼は昔からスマートに率なくこなす大人顔負けの子供だった。今もだけど


「緑間君と紫原君もどうですか」

「えーオレ出来るかなー」

「…利き手に当たってなにかあったら困るのだよ」

「トーブン試合ないんだしいいじゃないっスか！ね！」

「試合の問題じゃないのだよ！勉強だ！」

「大丈夫っスよ！危なかったら避ければいいだけだし！」


そんなやり取りの裏で征十郎とテツヤがバッターボックスに入り、素振りを何回か行う

征十郎のフォームは見事だがテツヤは悪くないが違和感がある気がすると思いながら見ていると彼らは満足したのか機械に100円を入れた

機械の起動音の後、ボールが彼らに向かって飛んで来る

征十郎は見事に高く飛ばしたが、テツヤは空振りしボールが彼の後ろに転がっている。予想通りの結果だった


「赤司っちさすが…今の絶対ホームランっスよ」

「ホームラン出したらなんかもらえるの～？」

「出ないんじゃね？そんなことしたら赤司荒稼ぎだろ」

「テツ君！次々！」


さつきの声と共に次のボールが飛んで来る。テツヤは掠りはしたが前には飛んで行かなかった

ちなみに征十郎は今回も高く飛ばしている。ゴルフと間違えてないだろうか