第62章 たまには中学生らしく
「おや、落ちた」
「さすが赤司君!」
「…これ、最初から赤司君がやった方が良かったんじゃないですか?」
「違うよ!テツ君がここまでやってくれたから赤司君が1回で取れたんだよ!」
「そうだね。桃井の言う通りオレが1回で取れたのはマグレだよ」
「それなら何よりです」
「ありがと~黒ちん赤ちん。はいこれあげる~」
テツヤの言っていることはあながち間違いでもない気がするので苦笑いをしつつ黙っていると、紫原が早速まいう棒をビニールから取り出し配り始める
征十郎とテツヤにだけかと思ったが、さつきと緑間とあたしにも差し出された
「え、私達何もしてないけどいいの?」
「いーよ、美味しかったら返してね」
「食べたものをどうやって返せばいいのだよ」
『ありがとう。征十郎とテツヤも、お疲れ様』
「ありがとうございます」
「ボタンを押しただけだけどね」
それで取れるのがすごいんだと思いながらもらったまいう棒をカバンに仕舞おうとすると、携帯が光っていることに気が付く
なにかと携帯を開くと涼太からメールが来ていた
『涼太と大輝、上のバッティングセンターいるって』
「上ってバッティングセンターなんですね」
「まったくあいつらは勝手なのだよ」
「連絡くれただけまだマシだよ!青峰君なんて勝手に行っちゃうもん」
『それはなんか、予想できる』
大輝がまともに連絡出来るタイプじゃないのはこの中学校生活で分かったし、そもそも一目瞭然だ
涼太と一緒で良かったと思いながらバッティングセンターがあるフロアへ上がると、カキンッと気持ちのいい音が聞こえてきた