第111章 最後の全中
8月ほぼ末と言っていい時期、全中がやって来た
と言っても今日は開会式のみのため、そこまで忙しいわけではない
『開会式が終わったら多分インタビュー来るから、変なこと口走んないでね!』
「なんで俺見ながら言ってんだよ!」
『だって大輝が1番不安だし』
「それならテツだって…」
『幻の6人目だから気づかれることがないということが去年起きてますけど』
「けれどそこが黒子の長所だ。胸を張って良いだろう」
「影の薄さが黒子っちの長所でいいんスかね…」
「…僕はもっといいところがあります」
「そうだよ!
テツくんカッコいいもん!」
『テツヤの長所をカッコいいの一言で済ませていいのか!?』
予選のときと同じく選手達の先頭に立って会場へと向かうあたし
そこでかなりの視線を集めており、はっきり言うとめちゃくちゃ心臓バックバクしてる(視線の理由は多分監督だから)
『ああもうやめてよそういう視線
ただでさえ緊張してんのにさらに緊張すんじゃん
て言うか帝光の監督が変わったからってそんな視線くれなくていいんだけど』
「…弱音ですか?」
『それよりもあれ
最強帝光の監督だからって特別可愛い訳でもないんだしさ、もっとそこら辺にいる女の子見ようよ
さつきとかさつきとか』
「なっ…!
#NAME1#っちの弱音なんて珍しすぎて…ツンデレより可愛いッス!」
「俺は#NAME2#の意見が曲がっているのが気になるのだよ」
「もう帝光の監督関係ないしね~」
「私も弱音は気になるけど…私をごり押しも気になるかなぁ…」
『関係ある!帝光バスケ部のメンツ見てみてよ』
「見たけど…何かあんのか?」
『みんな顔面スペック高過ぎなんだよぉぉぉぉ!
もう整形したい。整形費用下さい』
「#NAME1#は十分キレイだと思っているが」
「そうッスよ!
桃っち可愛いッスけど#NAME1#っちも可愛いッス!」
『赤司様とモデル(シャララ)が言うな
お前ら帝光中のイケメンランキング1位2位だろうが』
「そのランキングはなんなのだよ!」
緑間のツッコミを流しながら会場の中へと入るとピリピリした空気とあたしへの視線が伝わってきた
本当、頼むからその視線やめて