第62章 たまには中学生らしく
「よし、勝ったのだよ」
「あららー負けちゃった」
「…やっぱりボク、シュートは向いてないんですかね」
「紫原、そもそも途中から飽きてただろ」
「うん。動くの疲れちゃった~なんか食べたい」
「さっきあんなにケーキ食べてたのに…!?」
彼はどれだけ胃の容量があるんだろうと驚きながら他の人のスコアを見る。テツヤと疲れた紫原には勝ったらしい
さすがに緑間には勝てないかと疲れた腕をぶらぶら揺らしていると、顎に手を添えていた征十郎が何かに気が付く
「名前のスコア、1回目の緑間より高いんじゃないか?」
『え』
「あーオレのスコア越されてる!え、てかだとしたらすごくないっスか!?」
『…ウゴクノ、シッテタカラ』
「だとしてもすごいよ!ミドリンのスコア越してるよ!」
『ワー、ウレシイナー』
「もう少し心を込めるのだよ!」
目を輝かせているさつきを見てからやっぱり断るべきだったかなと視線を逸らす
まあでも楽しかったのでいいかと景品も何も出ないが好成績を収めてしまったので、涼太に向かって「勝った」とVサインをしておいた
そのままゲームセンター内をうろうろしていると急に紫原が「あー!」と声を上げてUFOキャッチャーめがけて動き出す
何事かと彼についていくと、景品にまいう棒が入っていた
「まいう棒ハロウィンパンプキン味!品切れで買えなかったヤツ~!」
『何がハロウィンなパンプキンなんだろ』
「普通のパンプキン味に比べて甘いんだって!こんなところにあったんだー…」
「取りましょうか?」
「ほんとー?ありがと黒ちん、はいコレ」
ジャラジャラと100円玉をテツヤに渡し、チャレンジが始まる
何回か挑戦したがなかなか落ちないソレに涼太と大輝はしびれを切らし「他のとこ見てくる」とどこかへ行ってしまった