第110章 夏祭り行こ!
『(うっわぁ…)』
涼太を囲んでいる女子をよく見ると気合いが入っている子、さらには可愛い子から色っぽいお姉さん系まで揃っていて逃げ出したい衝動が出てきた
仕方ないと心の中で連呼して洗脳しつつ涼太へと近付いていく
『涼太』
「あ、#NAME1#っち!」
『みんな帰ってくるの待ってるんだけど』
「ごめんッス!
ってことでお誘いは嬉しいんスけど…」
「その女の子黄瀬くんの入ってるバスケ部の監督さんだよねー?
付き合ってんのー?」
「そうッスよ!」
『断じて違う』
「ならいいじゃん。行こうよー」
キャバクラに居そうなバッチリメイクをした女の子(実際に行ったことはない)がそう言ってこちらを睨んできてすごく怖いが表に出さないよう努力する
そう考えた瞬間パシッと右手首を涼太に掴まれていて、それを理解するまで数秒かかった
「悪いッスけど、俺は#NAME1#っちと居たいんで」
『え』
「#NAME1#っち、走って!」
『え、ええええ!?』
「黄瀬くん待って!」
『デジャヴか!?』
去年も確かこんなことあったよなぁ
お面の男軍団に追いかけれたり…去年のことなのにすぐに思い出せるのは多分原作を覚えてるからなんだろうか
『…って涼太!
あいつらが待ってんの逆方向なんだけど!?』
「いいから着いてきて欲しいッス!」
『それなら怒られてもあたしのせいにするなよ?!』
「もちろんッス!」
涼太に腕を引かれながらどこか分からないところへと走る
それはまるでドラマのワンシーンの駆け落ちみたいで、少し心がキュッとした