第110章 夏祭り行こ!
『…今年も来たんだね』
「帯が結べていないかと思ってね」
『今年は1人で結べました』
「それなら良かったよ」
先ほど浴衣を着終わって準備していたところにチャイムが鳴り出てみると、去年と同じ昇竜の柄の浴衣を着た征十郎が立っていて、現在に至る
ちなみにあたしは今年白にピンクの花の柄で、どこにでも居そうな女子の浴衣姿だと思う
『夏休みかー…どこ行こうかな』
「そのうちの今日は夏祭りに行くと決めただろう?」
『でもそのうちのほとんどは部活で終わるだろうけどね』
「監督である#NAME1#が言えば休みにもできると思うが?」
『権力使いたくないわ』
分かってて言っているだろう征十郎の声を聞きながら家の鍵を閉める
完全に閉まったことを確認してくるりと家に背を向けて歩き出す
「全中が終われば一応受験に専念することになるが、#NAME1#は高校決めたかい?」
『勉強の話はしないでほしい』
「…#NAME1#の実力ならば高校など選び放題だと思うのだが」
『いやそういう問題じゃないから』
確かにこの成績ならば洛山にも行けると思うけどさ、京都なんて遠すぎてむしろ困るんだけど
てか本当、受験の話はしないでください