第61章 退院祝いパーティー
乾杯も終えたところで、まだ飲み物しか持っていないメンバー4人で食べ物を取り行こうと立ち上がる
たくさん並ぶケーキの前でどれにしようかと悩んでいると名前を呼ばれた。振り返ると涼太がサラダを持って立っている
「こういう時ケーキから食べちゃダメっスよ!」
「うどんかサラダから食べるといいよ」
「パスタもいいかもしれないっスね!今カルボナーラ出来立てらしいっスよ」
『え、あれは?』
視線の先には再びお汁粉を注ぐ緑間の姿、どれだけ好きなんだと思っていると帰りがけ彼はサラダを取って席に戻っていく
お汁粉とサラダ、一体どんな組み合わせだと思わず固まってしまった
「…まあ、お汁粉は飲み物っスからね!」
「名前も飲みたければ飲めばいいんじゃないか」
『いや別に飲みたいわけではないけど』
ケーキ以外を先に食べることをおすすめされているだけで強制はされていない。個人個人で好きに食べればいいと緑間の背中を見ながらうんうん頷く
みんなが選んでいないうどんを選んだあと、片手が空いているのでついでにケーキも持っていこうと再び眺める
どうしようかと悩んでいるといつの間にか征十郎と涼太も一緒にいて、気が付けば紫原も横に並んでいた
「このアップルパイとー、チョコケーキ美味しかったよー
あとこのパンプキンタルトとマロンタルトも」
『…あの量全部食べ終わったの』
「うん。次取りに来たー」
「へー!この季節限定メニュー可愛いっスね!ハロウィンっぽくデコレーションされてるっスよ!」
「あーパンプキンプリンのやつは紙刺さってるだけだから食べれないよー」
「食べたのか」
「口に入れただけー」
見れば紙素材だと分かるだろうと思うが紫原らしい
彼がおすすめしていたケーキとその他気になったものをお皿に乗せて、もう片手でうどんを持ち席に戻った