第109章 全中予選
列の先頭を歩いていると、ふと足を止めたテツヤ
そこには誠凛高校の学生手帳が落ちていて、"日向順平"と書かれていた
「どうしたのだよ黒子」
「生徒手帳です
先ほどすれ違った高校生の人達の
たぶん隣の第一体育館に行っていると思います
戻って届けてきてもいいですか?」
「わかった
この後ミーティングだ。早く戻れ」
『あ、一緒に行く』
「ええ!?
仮にも監督が居なくなっちゃっていいんスか!?」
『仮にもって…まあそうだけど
て言うか征十郎とコーチが居れば十分でしょ?』
「そうかもしれないッスけど…」
『とりあえず行く』
「…分かった
もし遅くなるようなら連絡してくれ」
『りょーかい。行こ、テツヤ』
「え、あ、はい」
テツヤの手を取って元いた会場へと走り出す
後ろからはどよめきの声が少々あがって、そんなにあたしが自主的に動くのは珍しいのかと考えたが、仕方ないと諦めた
「あの、#NAME1#さん
ペース速いです」
『え』
「少し…休ませて下さい」
『いや休んじゃダメだろ』
「じゃあ、せめて走るのやめて歩きたいです」
『まあ…それなら』
だけどももう会場まで50mないんだけれども。とツッコミしたいが、テツヤが以外にも息を切らしていたためやめておいた