第61章 退院祝いパーティー
待ち合わせ場所に近づくと既に征十郎とテツヤ、緑間が既に到着していた
まあ予想通りのメンバーだと考えていると、隣にいる涼太が大きく手を振りながら声を掛ける
それに気が付いた彼らがこちらを向き、いつもと雰囲気が違うからか視線があたしに集まった
「今日は随分と可愛い髪型だね」
『これね、涼太がやってくれた』
「服もオレが選んだヤツっス!自信作っスよー!」
「似合ってますね」
「悪くないのだよ」
「…黄瀬1人で家に上がったのかい?」
征十郎の言葉に涼太が「そーっスよ!」と返すが赤い瞳からの視線がこちらに刺さってる
去年勉強会をしたし、夏祭り彼も勝手に家を上がっていた。何を言っているんだと言う視線を返す
『…前にも勉強会で上がったでしょ』
「そういえばそうだな」
『征十郎も1人で来るじゃん』
「オレと黄瀬は関係が違うだろう」
『…そんな変わんないけどなあ』
確かに征十郎の方が付き合いは長いけどと頬をポリポリと掻いていると涼太があたしの髪を取ってニコニコと笑っている
満足そうで何よりだと髪を触っている彼の手を払い退けると、先ほど涼太と来た方向から早い足音が聞こえてきた
音の方向へ目線を向けると、ピンクの長い髪が揺れている
「テツ君―!」
「桃井さん…おはようございます」
「おはよう!私服のテツ君見るの久々!」
勢いよく抱き着くさつきの風圧であたしの髪も揺れる
テツヤの体幹を心配していると彼女の後ろから大輝が歩いてきた
遅刻してこなくて良かったとテツヤに抱き着いて気が済んだのか今度はあたしに視線を向け、いつもと雰囲気が違うことに気が付いたからか目が輝く