第109章 全中予選
『よっし、気合いは入ってるかな!』
少々時は経ち、全中地区予選1日目
特に問題がある相手ではないため、スターティングメンバーのキセキ達の様子はそこまで緊張していない
「#NAME1#ちゃん、ビデオ撮っといた方がいい?」
『それよりも敵チームの観察かな
頼んでいい?』
「もちろん!」
『それじゃよろしく
で、スタメンの方々。特に大輝』
「あ?」
『手、抜いたら絞める』
「俺が手抜くわけないじゃないッスか~!」
「俺はいつも通りやるだけなのだよ」
「俺も~」
「そうだね
いくら相手と差がついても、気を抜かず全力でやろうか」
「…手なんか抜かねーよ」
「青峰くん、今目を逸らしましたよね」
『嘘ついたなこの野郎』
テツヤの言葉を聞いた瞬間、大輝は嘘をつくとき目を逸らすということがパッと出てきて殴り倒してやりたい気持ちがでてきた
でもさすがに大会なのでやめておく
『まあ、全力で戦って勝ってこい!』
「ああ」
「もちろんッス!」
「人事を尽くしているのだから、当たり前なのだよ」
「俺に勝てるのは俺だけだから、楽勝だろ!」
「ん~」
「…僕はとりあえず全力で応援します」
『…テツヤ、なんかごめん』
ジャージを脱いでユニフォーム姿となり、コートへと歩き出すキセキの世代の背中を見つめる
その後ろ姿は去年よりも頼もしく見えた