第2章 赤いカレ
そうこう過ごしている内に転入する日がやって来た
学校のものは雪さんが頼んでいたのか、すぐに届いた
ちょっと不思議だったのは、サイズを教えた訳ではないのに制服何から何までサイズがピッタリだったことに恐怖を覚えたが…きっと助けてもらった日に測ったと信じている
「名前ちゃんやっぱり可愛いわ!!」
『…ありがとうございます』
「最近お金目当ての誘拐が増えてるらしいから気をつけてね?」
『はい。気をつけます』
そんな奴いるのかと考えながらランドセルを背負う
今さら小学校に行くのはなんつーか緊張するけど…慣れればなんともないんだろう
ちなみにあたしがこれから通う小学校はお金持ちの学校のため普通に制服もあったりするわけで、動きにくいったりゃありゃしない
『…まあ、私服で居るよりはいいんだけど』
私服と言えば雪さんの趣味(着させるのが夢だったらしく)によってフリフリでヒラヒラのふわふわ~とかを着ているのだ
だがこちらの世界に着てそれが似合ってしまうのだから恐ろしい。けど嬉しい気持ちもなくはない
「じゃあ、気をつけていってらっしゃいね」
『はい。行ってきます』
車に乗り込み挨拶をすると、車が発進した。車通学とはまたすごい
運転手さんに「ガソリン代もったいないですよー」と言いたいところだがまあ家の外観に中身、雇っている人や服装など…あと赤司と関わってることからして大丈夫だろう
赤信号で止まったのと同時に外を見ると登校班で登校している子供が居て、緊張が高まる
そんなあたしを見越してなのか、運転手さんはバックミラー越しにあたしを見ていた
「名前さんに、たくさん友達できるといいですね」
『できますかねぇ』
あたしの答えに「もちろん」と答えた運転手さんに視線を送りながらもう1度外の様子を見た
登校班の子供は歩行者用の信号機を見ていたが、飽きたのか気づくと隣にいた友達らしき人物と話し出す
2度目の小学校をあんな風に過ごせると良いなと、緊張する胸元を押さえながら前を向いた