第108章 CLUB GLAMOROUSです
「赤司ー、指名入ったから7番テーブルな」
「ああ、了解した
てことで父さん、ゆっくりして行って下さい」
「そうだな。少々休憩してから帰るとする」
『(あ、それまであたし相手しなきゃいけないパターンなんだね)』
ボーイ担当の男子に呼ばれた征十郎は自身のお父さんにあいさつしてから去っていった
あたしが征十郎のお父さんの話し相手をするというのは簡単に察しがついて、自分が少し緊張しているのが分かった
「橙崎の娘は、普段どんな風に学校を過ごしているんだ?」
『普段ですか?恐らく普通だと思うんですけど…』
「では征十郎はどんな風に過ごしているのか、教えてくれないか?」
『征十郎は女子から人気がありますよ
と言うよりは、同性異性共に人気があります』
「ほう」
『あとは、よく笑うようになりましたね』
「…笑う?」
『はい。あの日を境にですよ』
あの日とはあれだ。征十郎のお父さんとあたしがぶつかって勝った日
それから見えていたのは日に日に笑う回数が増えていく征十郎だったのだが、見ていてあたしも頬が緩むものだった
「そうか…」
『はい』
「橙崎の娘のおかげだな。礼を言う」
『…いいえ、礼には及びませんよ』
「私から取ってみれば礼に及ぶものだ
何か渡したいが、時間が無いためまた今度にさせてくれ」
『あ、ありがとうございます』
「とりあえず今日の所はおいとましさせて頂くよ
またいつでも家に来てくれ」
『えっと…じゃあお言葉に甘えて今度遊びに行かせていただきますね
本日はありがとうございました』
ふわりと微笑む征十郎のお父さんは彼そっくりで、やっぱり親子なんだなぁと頭の片隅で納得した
原作変えちゃったけど…あたしに後悔はない。かな