第108章 CLUB GLAMOROUSです
さてさて、お昼ご飯の休憩も終了して後半(午後)の部に参加し指名されたテーブルへ行ったのだが、誰がこんなことを考えていたのだろうか
いや、まず予想できる人がいない気がする
『ご、ご指名ありがとうございます』
「ああ、やっぱり橙崎の娘だったか」
『えっと…なぜあたしを指名したんですか?』
「普段家で征十郎とは喋っているからな、君と話がしたくてね」
『休日に呼んでいただいても良かったんですけど…』
「君はバスケ部の監督になったんだろう?
ならばそんな訳にはいかない」
『いや…監督って言っても名前だけなんですけど』
大手企業の社長がわざわざ帝光中まで…いいのか?
そりゃあたしにとっては嬉しいことだけども、悩むよね
愛想笑いを浮かべてはいるものの、内心はとても焦っているのが自分でも分かっていて喉が渇き始めた
「…橙崎の娘はずいぶんと綺麗になったな」
『いえいえ、征十郎の方が明らかに綺麗ですよ』
「赤司に嫁ぎに来ないか?」
『遠慮しておきます』
「征十郎も君ならきっと賛成すると思うのだが…」
『腐れ縁なだけですよ』
赤司の家に嫁に行くとか殺す気だろ
上品さの欠片もないんだからさ。うん
ふと出入口に赤髪が見えたなーと思って見ると征十郎が驚いた表情をしてこちらへ向かってきた
「父さん…本当に来たんですね」
「橙崎の娘と話がしたかったからな
それに、お前の学校での姿も1度見ておこうと思っていたところだ」
『(…他人行儀なところは変わらないんだな)』
「お前が言っていた、バスケ部の仲間は誰だ?」
「あちらに居る、色彩豊かな髪の人達です」
「本当に色彩豊かなものだな」
少し口角を上げながらしゃべる征十郎
その姿から容易にお父さんが来てくれて嬉しいということが推測できて、会話からは普段しっかり親子で話をしていることが分かった