第60章 訪問と進路
そんなことを考えているとノックもなく急にドアが開く
驚いて肩を跳ねさせると紫原がひょこりと顔を出した
「赤ちん名前ちーん、峰ちんがストバス行こうだって~」
『だって、どうする征十郎?』
いいタイミングで空気読めないこと言ってくれた大輝に心の中でスタンディングオベーションをし、征十郎の回答を待つ
もう先ほどの話は終わりにしたいという空気を出していたが、あたしは書類が終わっていないことに気が付いた
終わるまで帰れないかもしれないと僅かな希望を抱いていると彼は椅子から立ち上がる
「そうだな、行こうか」
『え、書類は?』
「たまには明日に回しても良いだろう」
征十郎の意見が珍しく、目を見開いていると紫原も驚いたのか食べようとしていたお菓子を床に落としてしまっていた
そんなあたし達に征十郎は「大丈夫か?」と言って心配してくれたが、ある意味征十郎の方が心配になってしまったが柔軟になってくれてよかったと彼に笑いかけ生徒会室を出た
みんなでストバスへ行き、当たり前のようにバスケ、3on3を始め、数十分経つとテツヤが見事にぶっ倒れる
体力切れだろう。さつきが自販機まで飲み物を買いに行ったがスポドリが売り切れだったので、近くのコンビニへと買いに行ってしまった
「1ヶ月部活やらないでここまで体力が落ちるなんて…思ってませんでした」
『まあそんなもんでしょ』
「ボクに比べてあの5人は…」
『あいつら体力の化け物だから』
「そうですね」
『納得しちゃうんだ!?』
コートの方に目を向けるとなぜか征十郎、緑間、紫原の3人対涼太、大輝の2人で試合をしており、色々大丈夫かと心配になったが彼らが良いなら良いかと笑う