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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第60章 訪問と進路





病室に戻ってドアを開けるとこれまた意外な人物がベッドの脇の椅子に座っており、あたしは目を見開いた

こちらに気が付いた彼はニッと意地悪そうに笑って「久しぶりだな」と言ってこちらへ歩いてくる


『…お久しぶりです。虹村先輩』

「おー、大丈夫か?」

『骨折なら大丈夫です』

「入院してるって聞いたから何かと思ったら骨折か」

『…虹村先輩はなぜここに?』

「ただの一時帰国だ」

『はあ…』


そこまで深く聞いても無意味な気がして質問することをやめた

なぜ一時帰国しているのか気になるが…そこまで深追いする必要はないし濁しているあたり彼は答えてくれないと思う


「全中、3連覇したんだってな」

『当たり前です』

「あいつらがいてできねーわけねぇもんな」

『こっちはまとめんの大変でしたけど』

「オレの去年までの苦労が分かっただろ」

『ヨクワカリマシタ』

「分かってねーだろ」

『はい』

「即答してんじゃねーよ」


虹村先輩との会話懐かしいなぁと目を細めながら車椅子からベッドへと移動しようとすると、彼に持ち上げられそのままベッドに降ろされた


『びっくりさせないでください』

「大変だろ、その腕と足じゃ」

『…助かりました』

「痩せたか?」

『そんなことないと思うんですけど』

「ついでに聞くが彼氏はできたか?」

『…馬鹿にしてるんですか?』

「それとも、前にフったオレと付き合うか?」

『結構です』

「即答かよ」

『当たり前です。そんな中途半端なことしたくありません』

「ま、オレも卒業式でけじめつけたからな、今さらって感じの方が強いっちゃ強い」

『そうですか』


彼と付き合うとしたらアメリカと日本でめっちゃ遠距離になるとありもしないことを考えた後、そもそも彼氏を作る予定ないしとリクライニングで調整したベッドに寄り掛かる

すると彼が懐かしむようにこちらを見ていることに気が付いた






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