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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第59章 引退と本物の





2学期からなら進路にもほとんど影響しないし、良かったと安堵した瞬間に大事なことに気が付いた


『え…待ってあたし体育祭出れない!』

「心配すんのそこっスか!?」


せっかく身体能力がすごいキセキの世代全員揃っているから体育祭がどうなるか見たかった

ショックで長い溜め息を吐いてからボスッと音を立ててベッドへと突っ伏す

そんなあたしを見て涼太が笑っていた。先ほどの重い表情はどこかにいったようで良かったと笑う


「優勝してくるっスよ」

『もちろんそうしてよね』


そのまま彼と話していると姿勢が辛くなってきたのでベッドのリクライニング機能を使い座ったまま話をする

しばらくすると、ドアがノックされ笑顔のさつきが戻ってきた


「名前ちゃんただいま!はいアイス!」

『お帰りありがとう』

「暇だろうと思ってクロスワード買ってきたよ~」

「あとは占いの本なのだよ」

『占い…?ありがとう』


何座がラッキーとかそういうのかと思ったら初心者のための占いの本だった

占い師になれということだろうかと思っていると、扉の近くにいる征十郎が立ち止まっていることに気が付く

何だろうと声を掛けようとすると彼は歩き出し、ベッドの脇に立った


「黄瀬とは元に戻ったかい?」

「やっぱりあれ策略だったんスね!?」

『征十郎のすることは大体そうでしょ』

「赤司こえーもんな」

「青峰君もっとオブラートに包みましょうよ」

「青峰には無理なのだよ」

「んだと緑間!」


まあ征十郎が怖いのは事実なんだけどなと、オブラートという言葉を知っているのか分からない大輝に笑いながらもらったアイスを食べる

しばらく話していると先ほどの言葉が気になっていたんだろう。緑間が問いかけてきた


「苗字にぶつかった奴は知り合いと言っていたが、誰なのだよ」

「緑間、それは」

『いいよ征十郎、話すから』

「…平気か?」

『うん。あれはね、あたしの実のお父さんだよ』


何も考えないように言ったが意外と心に来るものがある
お父さんと言っても本物のお父さんじゃない。顔も体も体格も元の世界のお父さんとは違う

でも分かる。全中準決勝の時双子の片割れに殴られる際に一瞬見えたのはこの身体の記憶で、彼だったと





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