第59章 引退と本物の
そうしてあっという間に始業式、去年オレンジの髪になったことはスルーされたが、今年のピアスは「あれデビュー?」という形で触れられる。どういう視覚をしているんだ
まさか今年は教師から何か言われるかドキドキしていたがまったくお咎めがなく、そりゃそうかこんだけ緩い学校だしと納得する
そんな始業式が終わった後、あたし達3年は引退のためにバスケ部は体育館に集まった
「と言うことでオレたちは引退する。新主将はみんなで話し合って決めてくれ強制はしない」
「マネージャーも今まで通り頑張ってね!」
『ちなみに監督のあたしも引退するから、真田コーチが監督へレベルアップします』
「苗字!それ進化だな!」
『そう!メガ進化!』
「頼むから今くらいは大人しくしているのだよ!」
「4連覇頑張ってね~」
「紫原君、プレッシャーになるのでやめましょう」
『まあ全国は出場しないとダメかなー?フフフ』
「名前っちのその笑顔怖いんスけど!?」
『ま、とりあえずそんなことは放っておいて…征十郎』
「ああ」
征十郎の号令にみんな悔いの無い顔で体育館、コーチ、後輩へと挨拶をしてお辞儀をする
顔をあげると泣いている後輩もいた。まだ卒業する訳でもないのにオーバーだなと彼らを見て笑う
『まあ何かあったらいつでも頼ってね、相談乗るよー』
「苗字に相談など不安なのだよ」
「多分次一緒に行動するのは体育祭だよね!」
『うん。もうそろそろ話が逸れてきたので、解散!』
後輩達もお辞儀を返してくれて、今度はこの子達が引っ張っていくのかと知らない未来を考える
まだ体育館に居たかったが、それはやめて空間から出た