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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第57章 最後の全中





「名前ちん大丈夫~?」

『…多分大丈夫』

「それ超不安なんだけどー」


医務室に着くと簡易ベッドの上に下ろされ、処置をされた

頭には包帯を巻かれ痛々しい格好で居るあたしを、ベッドの脇のパイプ椅子に座った紫原が呆れた目をして見ている


「名前ちんってさ、バカだよねー」

『紫原より成績いいんですけどー』

「だって去年帝光祭が終わってからぶっ倒れた時も自分で全部責任負ってるわけでしょ~?
他にも言いたいことはあるけどさー、今回だってオレらに言えば良かったわけだしー」

『…選手を怪我させる訳にはいかないし
それにみんなに守られるのは嫌だ。あたしはみんなを守りたい』

「そんなこと言わないでさー、もっとオレらのこと頼ってよ」


彼に言われて、あたしも征十郎に頼ってほしいとか言っていたのに結局自分が出来ていなかったと今更気が付いた

でもだからと言って今回の出来事は他の誰かが殴られるくらいなら結局自分で助けに行っちゃうんだろうなと、根本からの解決は難しい

彼の頼ってほしいという意見には返事をせず、せっかくなので彼にずっと聞けなかったことを聞くことにする


『紫原はバスケ、好き?』

「…話題違うんだけど」

『いいじゃん。紫原バスケ好き?聞きたいなー』

「別にー」

『えーじゃあ嫌い?』

「…嫌いじゃないし」

『そっか』


素直じゃないなあと笑いながら彼の頭を撫でる

そのまま彼と当たり障りのないお菓子の話で盛り上がっていると、桃色の髪を揺らしながらさつきがやってきた


「名前ちゃん!」

『さつき、試合は?』

「もう終わりだから来たんだけど…次、名前ちゃん戻れる?」

『戻るよ。これが、最後なんだから』

「名前ちゃん…!」

「無理しないでよねー」

『えーじゃあ3人で手繋いで行こうか?』


冗談のつもりだったのに本当に手を繋がされ試合会場に戻ると、鎌田西をトリプルスコアで負かせていた

おお仇討ちでもしてくれたのかと思いながらベンチに向かうと、またも涼太と目が合い飛んで来て抱きつかれる





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