第105章 修学旅行2日目
その後、目を瞑ってほんのり笑みを浮かべながら歩き出した征十郎
まるで方向を知っているかのように真っ直ぐ石に向かっていて、何かイラッと来た
『…やっぱ普通に辿り着いちゃったよ』
「さすが赤司くんですね」
『本当、完璧過ぎて怖いわ~』
「とりあえず次は僕行きますね」
『テツヤがラストか、頑張れ』
「黒子っちー!アドバイス必要ッスかー?」
「お断りします」
「もうちょい言い方選んでほしいんスけど…」
「テツくんカッコいい!」
『…もうほっとけ』
先ほどの征十郎とは全く逆で、一歩一歩慎重に口を固く結びながら歩き出したテツヤ
その背中は小さいけれども頼りがいがあるような感じかして、心がほわっと暖かい気分になった
『・・・ほわっ?』
「あ、着きました」
「黒子っちまで着いたのに、俺だけ着かないって…」
「…馬鹿にしてませんか?」
「うらやましいんス!」
「だったらアドバイス受ければ良かったじゃねぇか」
「ここって思ったんスよ…」
「黄瀬ちんって馬鹿だよね~」
「青峰っちよりは馬鹿じゃないッス!」
「おい!」
6人の会話を聞きいているとふっと笑みがこぼれて、顔を前に向ける
たった10mの差が、とっても長く見えた気がした