第57章 最後の全中
『あたしはさ、キセキの世代って誇りに思ってるよ』
「…?」
『だけど、征十郎達には枷になってるんだとも考えてる』
「…名前」
『百戦百勝だってさ、別にそこまでしなくていいと思ってる。百勝九十八勝くらいで丁度いいし』
「それでも2試合しか負けさせてもらえないのかい?」
『あたしは負けず嫌いなんでね』
ニッと笑いながら征十郎に言うと驚いた表情を見せたため、なんだか幼い頃の彼が重なった
しかしすぐそのあと余裕な表情でフッと笑い「知っているさ」と言われ、あたしのこういうとこ知ってたのかと、こちらも驚かされる
1年生の時に比べればすっかり頼ってくれるようになったなと、隣の彼の頭をわしゃわしゃ撫でる
『弱音吐きたいときはちゃんと吐けって約束守って偉いぞ弟』
「…また失礼なこと思っているだろうお姉ちゃん」
『ハハハハハ、まさか』
「名前さん、棒読みですよ」
『…テツヤ聞いてたの?』
「不本意です。隣でしてたら聞こえます」
『あーまあいいや、そんな聞かれてまずい会話してないし。て言うかしてたらまず止める』
「そもそも赤司と苗字でそんな会話すんだな」
『2人だとふざけた会話するよね』
「赤司君と名前ちゃん仲良いもんね!」
『そうね』
「…否定しないのかい?」
『みんな仲良いよ。バスケ部は』
思い込みかもしれないし、そう思いたいだけかもしれないが他の部から言われたことあるから誇っていいと思う