第57章 最後の全中
開会式翌日。今日から試合が始まるがまだトーナメントではなく各県の代表がリーグ戦方式で1日で2校と戦うことになる
帝光の試合の観客は今年も満員、自分が戦うわけではないが緊張する
しかしもうそんな姿を彼らに見せるわけに行かない
『手抜いたらシメる』
「それよりもこの手の震えをどうにかして欲しいんスけど…」
「あ~、確かに身体重いねー」
「仕方ないことなのだよ」
『でもまあ大丈夫。なんたってオレに勝てるのはオレだけだし?』
「…悪かったから、もうそろそろやめてくれ」
『拡散されたくなきゃ全力でやって勝ってこい。もちろん他の4人もね!』
「「「おう!」」」
去年の今頃大輝自身が言ってたのにやっぱり恥ずかしかったのかと納得してベンチに座り、当分これをネタにして大輝で遊ぼう。絶対楽しいと心に決める
「…名前さんまた良くないこと考えてますね」
『テツヤじゃないから大丈夫』
「先程の話からいくと青峰君ですよね?」
『そうそう。涼太並みにいじりがいあるよね』
「まあ…そうですね」
『そこ肯定しちゃうんだ』
光と影の関係性大丈夫かと心配したがよく考えればバスケ以外のことになるとこんな感じだったから大丈夫だと判断し何も言わないことにした
笛の音と共に試合が始まる。初戦だからとキセキの世代を全員入れたが絶対必要なかった
途中温存のためにも一部を交代させると「もっと出たかった!」と嬉しいことを言っていたので頬が緩んでしまうのを隠すため頭を撫でる
そんな帝光はダブルスコアで他2校勝利し、例年通り決勝トーナメント出場を決めた