第56章 全中前に夏祭りを
『今年もすごい人だなあ』
「青峰っち射的!勝負しよ!」
「勝てると思ってんのか?」
「勝つんスよ!」
「本当2人ともすぐ対決始めるんだから…」
「オレもやろうかな」
「赤司君がやると銃が本物に見えそうですね」
駆け出していく涼太と大輝の対決に珍しく征十郎が参加する
テンション上がってるのかなと思いながら彼らの射的の様子を見ていたところ、ここでも征十郎は無双していた
落ちるところを見たことがないようなテレビにつなげて遊ぶ家庭用ゲーム機を落とし、誰もが拍手をする
「さすがです」
「さすがだね」
「さすが赤ちん」
「それ以外に反応はないのかい」
「やっぱ赤司には勝てねえって」
「パーフェクトっスよ!?まさかゲーム機倒すとは思わなかったっス」
「今度射的の景品が欲しいときは赤司に頼むことにするのだよ」
「かまわないよ。はい名前」
『…え、なんでゲーム機?』
「もらってくれるかい」
『え?いらないの?』
「いらないわけではないんだけどね」
『…いいじゃん、お父さんとやりなよ』
「名前も一緒に来てやってくれるかい?」
『なんでそうあたしを巻き込もうとするかなあ』
渡そうしてくる彼にゲーム機を返す。別に遊んでもいいがなぜ親子だけで遊ぼうとしないのか
いやでも世間的に中学生は反抗期だから親子で遊ぶ方が珍しいのか?と何が正しいのか困っていると、涼太が「はいはーい」と元気よく手を上げる
「今度赤司っちの家でみんなでゲームするしかないっスよ!」
「赤司君の家緊張します…」
「でかそうだな赤司んち」
「名前の家と変わらないよ」
『あたしの家はダイニングに甲冑なんかないわ』
「赤司君、ダイニングに甲冑って何」
「言葉の通りだよ」
「…おは朝のラッキーアイテムが甲冑の際は赤司の家に借りに行くのだよ」
「えーじゃあオレお腹すいたら赤ちんの家いこー」
その後どこに行っても征十郎の持つ家庭用ゲーム機のせいで注目を浴びてしまい、笑いながら彼らと屋台を回る
気が付けば明るかった空も暗くなっている
今年は事件にも巻き込まれることなく無事に夏祭りを楽しむことが出来、全中前のいいリフレッシュになったことは間違いなかった