第56章 全中前に夏祭りを
「遅かったね、鬼は撒けたかい?」
「すんませんっス…」
『ごめん鬼が全然引かなくて、紫原と緑間は?』
「ラッキーアイテム集めるために輪投げしに行きました」
『そう…飲み物買ってきたよ。さつきにはあんず飴も』
「え!ありがと!」
「オレにはねぇのか?」
『散々肉食べてたよね』
「オレにはないのかい?」
『紫原のために買ってきたわたあめでいい?テツヤと分けて』
可愛いキャラものの袋に入ったわたあめを渡すと、彼らは何とも言えない表情をする
頼まれたものは全部買ってきたんだから許してほしいと今年も全然減る様子ないりんご飴を一口噛んだ
『あとごめん、浴衣見てもらっていい?』
「ああ、走ったんだったね」
『まさか今年も走ると思ってなかったよ』
「オレだって思ってなかったっスよ」
でも元はと言えば涼太がナンパしてきた女たちを断りきれてなかったのが原因だ
征十郎に浴衣を見てもらっていると不在にしていた2人が戻ってくる。今年も紫原に景品を取ってもらったのか大量のお菓子を持つ紫原と同じくらい景品を持つ緑間が現れる
「なんだ〜黄瀬ちんも名前ちんも戻ってきてるじゃん」
「鬼ごっこは終わったのか」
『終わった。紫原征十郎が持ってるわたあめ食べていいよ』
「やったーありがとー」
「オレたちも食べ物を買ってきてしまったのだよ」
「わあ…すごい量だね」
「食べ切れますよ。大丈夫です」
「1番食わねえテツが何言ってんだ」
「青峰君と紫原君が食べるんですよ」
「間違いないね、2人がいれば大丈夫だ。出来たよ名前」
『ありがと』
浴衣を直してもらい椅子に座り直し屋台で買った食事に手をつける
あれだけ量があったのに気がつけばパックだけになっており、そのまま腹が膨れた彼らと休憩所を出て遊ぶことにした