第56章 全中前に夏祭りを
屋台が出ている大通りまで着いたあたし達は、夕飯を済ませようということになり買いに行く人をあみだくじで決めた
『…焼きそばに焼き鳥、ホルモン焼きにからあげ。さらにはサイコロステーキと…』
「お肉ばっかりだね~」
「青峰に任せたのが悪かったのだよ」
「いいじゃねぇか肉の何が悪いんだよ」
「…野菜よりはマシだけど~」
じゃんけんに負けた大輝が仕方なく行ってくれたのだが、飲食スペースに座り待っていると買ってきたものがまさかのお肉ばっかりでさつきと頭を抱えている
「青峰、もう少し食べるもののバランスを考えろ」
「そうだよ!青峰君いつもお肉ばっかり食べて…」
「とりあえず食べましょう。せっかく青峰君が買ってきてくれたのに、冷めてしまいますよ」
「そうだね~、食べようかー」
「ここまで肉が多いと野菜が欲しくなりますね」
「あ、じゃあオレ飲み物欲しいし一緒に買いに行って来るっス!」
『ついでにりんご飴を』
「お汁粉も」
「あるわけないじゃないスか!」
「コーラ」
「お茶で」
「もー…行ってくるっス!」
小走りで屋台へと向かう涼太を見送り、手元にある焼きそばを1口食べると帝光祭で食べたものの方が美味しい気がした
お酒を飲む人向けに味が濃く作られているのだろうかと、飲み物が欲しくなってくる
まあすぐ戻ってくるだろうと思っていたが涼太はなかなか戻ってこない
さすがにこんなに時間がかかることはないだろう。と彼を心配する声が上がり始めた