第54章 みんなで帝光祭
帝光祭も終了して、ほとんどの生徒が片付けを始めている
キャストは頑張ったから片付けいいよと仕事を免除され、あたし達は去年同様旧館校舎の屋上に来ていた
「まさか今年もここに集まるとは、思ってなかったのだよ」
「そうだよね~ねぇ赤ちんお菓子持ってる~?」
「今は無いな」
「えーそうなの~?」
「あ、ボク持ってますよ。食べますか?」
「うん!食べる食べる~」
「どうぞ」
去年と同じような光景にあたしは目を細めて口元に笑みを浮かべた
後ろで扉が開く音がして振り返ると、涼太と大輝が去年と変わらずに焼きそばを大量に買って来たのか両手に持っている
「ちなみに今年は60パック買ってきたっスよー」
「全部山盛りな!」
「ちょっと!またパックからはみ出てるじゃない!」
「今年もマケてくれたからな」
『…こんな量食べきれるわけないじゃん』
涼太の肩を少しは察しろと言う目線を送ったが、焼きそばの量を見た紫原が目を輝かせる
まあ今日1日みんな頑張っていたし、食べ物を無駄にするのも勿体ない。1パック受け取ると横から紫原が袋ごと持って行く
「これ全部食べていいの~?」
「もちろんっス!」
『え、全部食べれんの?』
「もちろん」
「紅しょうがが無いのはあるかい?」
「あるぜ。赤司が苦手なものは珍しいから覚えてたわ」
「それはありがたいね」
「赤司君お箸いる?」
「いただこうか」
「名前ちゃんは?」
『…』
「…名前ちゃん?」
『あ、ごめん。ぼーっとしてた』
「珍しいね~名前ちんがぼーっとしてるなんてー」
「そう言われてみればそうなのだよ」
「どっか体調でも悪いんスか?」
「あんだけ猫被りしてたのにか?」
『…ちょっと好き勝手言い過ぎじゃない?』
そんなにぼーっとしていただろうか
忙しかったし疲れているのかなと考えながらさつきからお箸を受け取り、パックを開けると焼きそばのいい香りが漂う
「とりあえず焼きそば食べませんか?」
「そうだな。食うか」
「え〜ごめんもう食べてる〜」
『食べるの早いって』
わきゃわきゃとキセキ達と食べながら今日の感想を言い合い夕焼けを見る
こうして中学最後の帝光祭は悔いなく幕を閉じ、翌日から通常授業に戻った