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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第54章 みんなで帝光祭





「父さん…本当に来たんですね」

『待って、来るって言ってたの?』

「橙崎の娘と話がしたかったからな」

『征十郎の勇姿見に来てくださいよ』

「もちろんそれもある。立派になった」

「父さん…」


少し口角を上げながらしゃべる征十郎の姿を見て、ああ彼はお父さんが来てくれて嬉しいんだろうなということが推測できた

でもそれならばあたしを指名しないでくれ心臓に悪いと全然手を付けてくれないお菓子を口に入れる


「赤司、指名入った」

「ああ、了解した。父さん、ゆっくりして行って下さい」

「そうだな。少々休憩してから帰るとする」


待ってゆっくりしないでと変な汗が一気に噴き出る
ボーイ担当の男子に呼ばれた征十郎は自身のお父さんにあいさつしてから去っていった

あたしが征十郎のお父さんの話し相手をするというのは簡単に察しがついて、自分が少し緊張しているのが分かった


「橙崎の娘は、普段どんな風に学校を過ごしているんだ?」

『普段ですか?恐らく普通だと思うんですけど…』

「アップルパイは口に合ったかな」

『あ、美味しかったです!ごちそうさまでした』

「いや、私も征十郎からチョコをわけてもらったから出しただけだ。美味しかったよ」

『お口にあったようで何よりです…』


もう何分話しているんだと受付を見るがまたもグッジョブポーズをされる

全くやめてほしいと思いながら雑談を交わしようやくお菓子が食べ終わる

さすがに残すわけにいかないので完食したが、視界の端で紫原がいいなーという顔をしていたのをあたしは見逃さなかった


「橙崎の娘には何回言っても足りないな、礼を言うよ」

『いや、本当にもう気にしないでください』

「今日の所はおいとまするよ。またいつでも家に遊びに来てくれ」

『…じゃあお言葉に甘えて今度遊びに行かせていただきますね』

「ああ。征十郎と待っている」

『本日はありがとうございました』


ふわりと微笑む征十郎のお父さんは相変わらず彼そっくりで、親子なんだなとしみじみする

彼は去り際征十郎に手を上げて帰り、征十郎も小さく手を振っている
そんな様子を見て良かったなとほほ笑み、次の卓へと歩き始めた





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