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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《1》

第54章 みんなで帝光祭





『あ~、本当疲れた』

「苗字すげぇニコニコしてたもんな」

『頬がつるかと思った』

「いつもあんぐらいニコニコしときゃ少しは女っぽく見えんじゃね?」

『そもそも女子なんだけどー?』

「どこがだよ」

『はぁ!?あたしが男子だったら絶対バスケ部入ってるからね!そんで大輝に絶対勝つから!』

「ハッ、お前じゃ無理だろ」

『勝てる』

「無理だろ」

『テツヤには勝った』

「テツの方が女っぽいわ」

『なんだと?』


それはもしかしたら否定できないかもしれないが、料理作ったりなんだり女子力に関しては負けてないと思う

しかし普段の素行を思い出しテツヤの方がおしとやかだなと、彼の言うことが一理あることは間違いない

けれども喧嘩を仲裁したりしているテツヤの方があたしより男前な気がするんだけどなと考えていると、頭上から「おい」と声がして顔をあげる

いつの間に近くに来たのか、大輝の顔がすぐそこにあった

なんで?と困りながらポカンと口を開けていると、大輝があたしの手を頭上に大きな手で拘束する


『ちょ、待て待て待て!』

「待てって言われて待つ奴がどこに居んだよ」

『世界中探せばどこかに居る!』

「どこにも居ねーっつの」

『…何で』


どういう状況だと焦っている頭を冷やして何とか逃げる場所はないか目線をキョロキョロと移動させる

しかし手は拘束されているし座っていてヒール。さらに慣れない格好ということで逃げ場はなく、背中に冷や汗が流れた


『離して』

「何でだよ」

『体制が、嫌だ』

「なぁ、これでも男に勝てるって言うのか? 」

『男に勝てるとは言ってないんだけど…』


口を固く結んでこちらを見下ろしている大輝はいつもと違う雰囲気がして、内心焦っていくのを感じた

それから何秒経ったか、時計がカチりと動く。グラウンドの模擬店の声がよく耳に入るくらい静かだ


「お前のこと、最初から女としてしか見てねーよ」

『は』

「ってことだからよ。揉んでいいか?」

『……いい加減、離して』


足を持ち上げ、ヒールのまま彼のすねを蹴る

手の力が緩みと崩れ落ちる大輝を見ながら最初からこうすればよかったと思った






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