第54章 みんなで帝光祭
「いやー、名前ちゃん人気すごいよなー」
『何の話?』
「ここ。指名する人別に列になってたんだけどー、めっちゃ並んでたぜー」
『…へえ?』
「あとはキセキの世代と美人マネージャーだっけ?そいつらにすごい列ができてたかなー」
『顔面スペック高いからなー。あいつら』
「オレは?」
『高いでしょ』
「マジで!?」
『うん』
「名前ちゃんの好みのタイプは?」
『好きになった人がタイプ』
「今まで好きになった人ってどんな人!?」
『…いないかな』
「え!いないの?」
『そうなんだよねー…』
「彼氏とか欲しくないのー?」
『今は必要ないかな』
せっかくお金を払って話しているのに公園でも出来そうな恋バナという話題にあたしは良くとも彼はいいんだろうかと様子を見るが、彼はそのまま楽しそうに喋る
指名されてからだいぶ時間経つけどいいのかなーと受付担当の子を見ると、グッジョブポーズをされて反応に困る
彼氏と勘違いしていないだろうか
そんな中あたしをジッと凝視してくる和成の視線に気づいたので「何?」と聞くと、意外な答えが返ってきた
「名前ちゃんって意外と胸でかいね」
『どこ見てんの?』
「名前ちゃんキレイだからさー、見とれてたわー」
『本当に?』
「嘘ついてねーよ?」
『…まあ、いいか』
「ここってお持ち帰りオッケー?」
『ダメに決まってんでしょ』
「ちぇー」
唇を尖らせ不満をアピールする和成に笑いながら雑談していると案内係が近づいてくる
「名前さん、そろそろ指名…」
『あ、すぐ行く』
「えーもう時間?」
『なんならちょっとサービスしてたよ』
「名前ちゃんと居ると時間秒だからなー」
嬉しいこと言ってくれるなと立ち上がり、和成の頭をわしゃわしゃ撫でてから「じゃあね」と言うと彼も帰るのか立ち上がる
「オレ、キセキの世代に負けねーからな」
『うん。じゃあ全中予選でね』
「ぜってえ意味わかってねえじゃん!」
ケラケラと笑いながら彼は出ていく
ちょうどさつきも移動の時間なのか目が合い、キラキラとした目で見られたが違う違うと首を横に振っておいた