第54章 みんなで帝光祭
「名前さん、5分経った。指名も来た」
『あ、了解じゃあまた部活でね』
「は、はい!ありがとうございました!」
「またご飯作ってください!」
『…気が向いたらね』
絶対ないとは言い切れない。そう言って手を振り案内係のいる次のテーブルへと移ろうとすると、指さされた場所にはそれなりに見慣れた人が座っており、逃げたい衝動に駆られた
仕方ない。と言い聞かせてカツカツヒールを鳴らして近付いて行くと、彼は吹いて笑いだした
「名前ちゃ、その格好…ブハッ!」
『笑うなら指名するな』
「だって名前ちゃんが隠したがってたからさー、気になって今年も来ちゃった」
『来るなって言ったのに…』
「そう言われると来たくなるもんっしょー!」
『今年もぼっちですか?和成君』
「去年も今年も友達と来たんだけど!?」
『その友達は?』
「ラブラブカップルの邪魔したくない!ってどっか別の場所行っちゃったんだよなー!」
『はぁ!?』
「しー!名前ちゃん声でかい!」
『あ、ごめん』
「名前ちゃん慌て過ぎて考えてること丸分かりなんだけど…ブフッ」
そう言ってお腹を押さえる和成の背中を擦りながら呆れた視線を送る
変な反応をされるくらいなら笑われた方がいっそのことすがすがしい
このまま笑い続けて3分過ぎていくのではないかと思っていたが意外と早く彼は持ちなおした