第54章 みんなで帝光祭
『ちょ、ちょっと待って!』
「…はぁ?何?」
『だってさっきから人めっちゃ見てんだよ!?』
「大丈夫だって、めっちゃ綺麗だもん」
『まじ?ちょっと傾国しに行こうかな』
「そこまでじゃない」
『そう言われると入るのためらうじゃん…』
教室までの遠くない距離でもなんだか視線を浴びる。去年同じクラスだった子からは「綺麗だぞー!」と野次を飛ばされた
そんなハードルを上げないでくれと思いながら辿り着いた教室の前、準備が終わったのかみんな中で待機しているらしく、そのおかげで余計に緊張していく一方だ
どうしようかと考えていると、女子より後に準備を始めた男子が戻ってくる
イケメンからさらにイケメンに変化していたりしたせいか黄色い声があがったが、キセキの世代が帰ってきた瞬間はさらにすごかった
「黄瀬君すごいカッコいい!」
「緑間君だってメガネ萌えだよ!外しても絶対カッコいい…」
「青峰君ワイルド!」
「それよりも紫原君!いつもとのギャップがカッコいいじゃん!」
「何言ってるの!テツ君のスーツなんてレアだよ!?バスケやってるときとはまた別のギャップが…」
髪もセットしている姿は見なかったから写真だけだったけど、やっぱり直に見るとカッコいいなぁと見惚れてしまう
すると最後のキセキの世代、赤司様が白スーツを着用し戻ってきて、さらにすごい黄色い声があがった
「キャァァァァ!!」
「赤司様カッコいい!」
「さすがオーナー役!」
「もう、死んでも本望…」
「テツ君カッコいい…」
赤い髪に真っ白なスーツが何ともめでたそうだと、1人どうでもいいことを考えながら最後のさつきは大丈夫だろうかと心配する
倒れてはいないさつきを見て安心しながら、いやの騒ぎの隙に入るのが正解だったんじゃないか?と考えが遅れたことに後悔しながら、ドアの陰に隠れた