第54章 みんなで帝光祭
そうして出来上がったあたしは中学生には見えない見た目をしている
頑張れば年齢も詐称出来そうだと、再び「おお…」と声が出てしまった
「それじゃあ、帝光祭用の写真撮るよ!隣の教室移動して!」
『はーい!』
「急にやる気出した」
『いやもうここまで来たらやるよ。人気ナンバーワン目指すわ』
愛想笑い程度を浮かべて写真担当の子に撮ってもらっていると、今度は水色のミニドレスを着たさつきが現れた
「名前ちゃん!」
『さつき!?えーすごい!いつにも増して可愛いよ!』
「名前ちゃんもだよー!高校生にも見えないよ!」
『え…まさかお酒買えるレベル?』
背後でコクコクと頷くカメラや照明担当に、ああ本当なのかと察する
まあ大人っぽく見えて損はしないだろうと思いながら何枚か写真を撮られ、無事に終了した
「待って名前ちゃんと写真撮りたい!」
『えーさつきなんてこと…あたしも撮りたい…』
「何その組み合わせ売っていい?」
『ダメに決まってんでしょ』
さつきと2人、特別に写真を撮ってもらった
先ほど1人で撮っていた時よりもこっちの方がいい顔をしていると言われ、なんとも言えない気持ちにさせられる
何はともあれこれで本日のあたしの仕事は終了したはずだ
『撮り終わったなら脱いで来ていい?』
「え」
『何か他にもあるの? 』
「キセキの世代に見せなくて良いの?」
『…当日見るんだからいいでしょ』
「彼氏なのに!?」
『どこの誰があたしの彼氏なんだ?』
仲が良いメンバーで誰が誰とも付き合っていないのは、さつきがテツヤを好きっていうくらい有名な話である
だからいじってくるのか彼女の考えは分からないが、溜め息を吐きながらまとめ髪を外し隣の更衣室へと戻った