第54章 みんなで帝光祭
『…何でこんな格好してんのかなぁ』
この台詞去年も言っていなかっただろうか、いや間違いなく言っていた。ウェディングドレスを着せられたから
今年のあたしの格好を詳しく説明しよう。ベアトップにがっつり背中が開いている黒のスリットが入ったロングドレス
下は透けそうで透けない…でもスリットから太ももが出てるって感じで、これからの人生着るかと聞かれると確かに着なそうな服であることは間違いない
「名前さん何その格好!?」
『え、言われた服を着たんだけど…』
「せっかくそんないい武器があるんだから、もっと寄せて!」
『武器…?ちょ、やめ、くすぐったい!』
「胸!寄せなくちゃスタイル良く見えないよ!」
「…本当、神様って不公平だよね」
『見てないで助けてよ!』
「看板娘なんだから頑張ってもらわないとねー」
何なんだこのクラスは…と溜め息を吐きたかったが、残念ながら武器とやらを寄せられるためくすぐったくてできない
それが終わったら今度は髪を巻かれ結ばれとまるで人形状態
「色っぽい髪型と言えばうなじが見えるだからー…後ろでまとめようか!」
『そのうなじが見えるって何』
「私の中での理論!」
「待ってせっかくだし化粧もしていい?素材良すぎなんだが」
『もう本当、何なんだよこのクラス…』
「一致団結してるのはいいことでしょ?」
『間違いないけど』
それにしても一致団結しすぎな気もするがと、化粧道具をどこからか持ってきたクラスメイトに今度は化粧を施され、そんな風にされるがまま目を瞑って終わるのを待っていた