第54章 みんなで帝光祭
自分が想像していたよりも似合っていたため、思わず「おお!」と声が出てしまう
「カッコいいっスか!?」
『うん』
「名前っちが素直…な、何か企んでるんスか?」
『何も企んでないって』
「名前ちーん、中でも話してたんだけど~赤ちんのだけ何で白いスーツなのー?」
『あぁ、征十郎は代表取締役兼オーナーという役割にしようと思って
先に白いの着せてみて似合ってなかったら変えようと思ってたんだけど…似合ってる。すごい似合ってる…から、ハハッ』
「…その様子を見るに完全に楽しんでいるだろう」
『楽しんで…ないよ!ふふ』
「…楽しんでますね」
「そうだな」
彼らからの冷たい視線を浴び、1人白スーツが異常な程の似合っている征十郎に笑いながら目尻に溜まった涙を拭う
ようやく落ち着いたところで彼らに合いそうな色を選び、ジャケットを合わせてこれだと思ったのに着替えるよう指示を出す
「で、着てどうすりゃいいんだよ」
『帝光祭のときに廊下に飾る用に写真を撮ろうってなってね、撮られておいで』
「撮るのはオレたちだけなのか?」
『いや?ヘルプ担当とか、裏方以外の人なら全員撮るよ』
「ってことは名前っちも!?」
『女子は別室で撮るから』
「…とりあえず、写真はどこで撮るんですか?」
『いやいやまだだよ。ヘアセット担当が居るからその人にセットしてもらってから撮ってね』
「…やはりか」
『あ、やっぱり征十郎分かってたんだ』
明らかに嫌そうな顔をするキセキ達を次の場所へと誘導して、次に撮る人達を呼びに再度教室へ戻る
実はあたしは男性衣装考案部隊に入っていたため女子の衣装は何も関与していない
つまり自分がどんなドレスを着るのかを全く聞かされてない
そのため撮影するのは別の部屋にしたのだが、それを考案したのはあたしだってことは内緒にしておこうと思う