第53章 修学旅行 後編
「名前っちがオレのために来てくれたー!」
『征十郎アイスありがとう』
「ああ、はい」
「無視!?てか緑間っち何持ってんスか!?」
「たこ焼きの被り物だ。顎で止めて頭ごと被ることが出来るのだよ
これならば被り物でもたこ焼きでも、奇抜な帽子でも対応することが出来る」
「奇抜っていうのは認めるんだね」
「骨董品買いに行ったんじゃなかったのか?」
「外国人がたくさんいるところで買ったのだよ。オレのサイズがあって良かった」
「被る気なんですね…それ…」
本当に彼はおは朝のためなら何でもするんだなと笑いながら、彼の持つたこやき型の被り物を見ているとなんだかたこ焼きが食べたくなってくる
『なんかたこ焼き食べたくなってきた』
「お、いいじゃねえか食うか」
「アイスしか食べて無いもんね!食べようよ!」
「オレも食べたーい」
「みんなで買いに行きましょう」
「そうだね。紅ショウガは抜きで頼まなくては」
『なんかこれに似た会話去年の帝光祭でしたような…』
「…なぜオレの被り物からたこ焼きを食べる話になるのだよ」
「ミドリン食べないの?」
「食べるのだよ」
「緑間も食べるんじゃねえか」
笑いながらみんなでたこ焼きを買いに行き、1人1パックでは足りないほど購入し立ったまま食べた
その後お土産も買って帰りの新幹線に乗り込み、疲れ切ったあたしはさつきの肩に寄り掛かって寝てしまった
起きたらたこ焼きの被り物が頭にあり、犯人である大輝に投げつけて緑間から怒られてしまう
予想していた迷子など問題もなく、中学最大のイベントとも言われる修学旅行は終了した