第53章 修学旅行 後編
「…まさかこんなことになるとは思っていなかったのだよ」
「これが最適だと思ったんだが、違ったかい?」
「オレはこれでいいと思うけどー」
「食いてぇもんが食えたからどうでもいいだろ」
「ボクもバニラシェイクが飲めてるのでいいです」
『…修学旅行に来てまでバニラシェイクなのね』
征十郎が出した案は珍しく食べ歩きという意見だった
確かにそれでたこ焼きとイカ焼き…まあお好み焼きも既に焼いてあるものならば食べれるため最善だとは思う
「名前ちゃんは何食べるの?」
『…何食べようか』
「決めてないの~?」
『と言うより朝ごはんが重かったせいかお腹減ってない』
「あ、分かります」
「確かにあれは重かったのだよ」
「だからテツも昼飯バニラシェイクなのか?」
「それは違います」
「昼ご飯にはバランスが良くないためあまり勧めないが…黒子が良いならいいだろう」
『征十郎いつもバランス良く食べろっつってんもんね』
「修学旅行だけ赤ちん甘いよ~」
「学校行事だからね」
征十郎も面倒見いいからなと考えていると、アイスの看板が目に入る
まだ5月とは言え日差しが強く厚い。口の中がそれを欲する
『アイス買ってきていいかな』
「えーオレも食べたーい」
「私も!」
「行っておいで。待ってるよ」
『待ってる間見て回ってていいよー!』
さつきと紫原を連れてアイスのお店に入ると色んな味のアイスが並んでいる
どれにしようか迷っていると、紫原から名前を呼ばれ手招きされた