第99章 髪質
「#NAME1#さん手際良いですね」
『一応女子だからじゃない?』
「一応って何ですか」
『だって女子っぽくないじゃん
ていうかその扱いを受けてない』
こうなったら男子になってバスケ部入っちゃおうかなぁと冗談で言ってみる
そうするといつの間にかこっちを向いていたテツヤに両手首を掴まれた
『…テツヤ?』
「周りの人が男性扱いしてても、僕は#NAME1#さんのことは女性だと思ってますよ」
『テ、テツヤ…!
やだ、男前過ぎて惚れそう!』
「…意味分かってないですよね」
『えっ』
「でも今はそれでいいです」
『え』
両手首を離して椅子に座り直すテツヤ
その意味を考えるがあたしの中で答えは出てこなかった
『ねねテツヤ、サラサラになるクリーム塗ってみてもいい?』
「…そんな物まであるんですか」
『念のためにね』
まあ元から前世よりものすごくサラサラなんだけど。と言うわけに行かないので心の中で呟き、テツヤの髪にクリームを塗っていく
「あ、これも#NAME1#さんの香りがします」
『え』
「やっぱり甘い香りですよ」
『うーん…やっぱり分かんないなぁ』
「僕はどんな香りがしますか?」
『バニラ』
「バニラですか?」
『うん。そして寝癖直せたよ』
「…本当にサラサラですね」
『うん。テツヤ可愛いよ』
「僕男なんですけど」
『だってカッコいいって言うより可愛いんだもん』
いつもよりサラサラな髪を撫でながら言うとテツヤは不服そうな顔をした
そんな表情するとさらに幼く見えて可愛く見えるんだけど
『じゃ、戻ろうか』
「はい」