第53章 修学旅行 後編
何とか登り切ったが水分が欲しい。途中で買ったお茶を飲み、一息つく
「よっしゃ!登りきったぁ!」
「思ったより急斜面じゃ無かったですよね」
「紫原っちの周り、やけに空いてたっスよね」
「みんな怖がってたんじゃな~い?」
『て言うより、あたし達のことを見ていて引いてたかな』
「みんなキセキの世代だもんね!」
「恐らく桃井もキセキの世代のマネージャーとして有名なのだよ」
『幻の6人目も有名だけど…この人混みじゃあさすがに気づかれないか』
拝観料を払ってから中へと入ると大人もいるにはいるが、明らかに修学旅行生が多い
そして外国人も多く、今までで一番人口密度が高い状態に溜め息が出そうになる
「ボクお守り買いたいです」
『あたしもー、両親にお土産として』
「…ボクは両親とおばあちゃんに」
『じゃあどうせなら一緒に行こ』
「そうですね」
「じゃあここで待っている。買ったら戻って来てくれ」
『テツヤ迷子にならないでね』
「…なりませんよ」
『その少しの間は何なんだ』
まあ大丈夫。大丈夫…だよね?と疑問に思いながら手だと勘違いされそうだし振りほどかれそうなので、腕辺りがちょうどいいとテツヤの腕を掴みお守りが売っている所へと向かう
「名前さんは何買うんですか?」
『延命長寿かな』
「じゃあボクと一緒ですね」
『やっぱりそれが1番だよね』
「家族には長生きしてもらいたいですよね」
『うん。不老不死で居てほしいかな』
「それは無理ですけど、分かります」
『へへ、やっぱそうだよねー』
軽く笑ってみるとテツヤは驚いた表情をしてからいつもの表情に戻して口を開いた