第53章 修学旅行 後編
そんな願いを平安神宮だけでなく八坂神社にもお願いし、最終目的地である清水寺がある坂の下に辿り着いた
斜面と人の多さで登る気が失せていくのが分かる
「…これ、登るんですか?」
「人が多く、坂道なのだよ…」
「進むの大変そう…」
「テツ君が迷ったら…探すの大変だよね」
「この先行くともっと混んでるって、さっき別の班が言ってた~」
「いつそんなことあったんだ?」
「お菓子もらったときー」
「オレは恋の神様のためにがんばるっスよ!」
「部活だと思えば楽勝ではないか?」
『いざとなったら走ってももらってもいいよー、練習として!』
あたしがふと冗談で言ったことを本気に捉えたのか、顔を蒼白にさせて謎のオーラを見せる征十郎以外の5人
さつきはマネージャーのため免除と分かっているのか苦笑いしてこちらを見ている
「…名前、冗談はやめておけ」
『本気でやってもらっても構わないけどね、他のお客さんに迷惑かけるからやめよう』
「迷惑じゃなかったらやるんスか!?」
「苗字ならやりかねないのだよ…!」
『とりあえず歩こ。さつきと涼太は恋愛の神社行きたいんでしょ?』
「行きたいっス!」
「テツ君との両思いのために!」
『じゃあ行こ。こんな日焼けしそうな所にいつまでも居たくない』
「…日焼け止め塗ってないんスか!?」
『塗った。けど落ちてる気がする』
「だったら早く行こーぜ土産とか菓子もあんだろ?」
「お菓子!?」
『帰りに買おうね、我慢』
とりあえず先頭を歩く征十郎に着いていき清水寺へと目指すが、その間にも昨日と同じくキセキの世代が目立っていたのはもうこりごりだと思った