第52章 修学旅行 前編
『来たよ平安神宮!』
「名前ちんのテンションがいきなり上がったんだけど~」
『厄除けするんだから当たり前じゃん』
「…何か厄でもついているのか?」
『つきそうだから厄除けするんだよ』
征十郎の意見にあたしの意見を返すと「苗字に厄なんか付きそうもないのだよ」と緑間に言われて軽くイラッとした
女性の厄年は男性より早いんだからなと怒っていると、周りも同じ意見なのかうんうん頷いており何とも言えない気持ちになる
「むしろボクの方が多く厄がついてそうです」
「て、テツ君に厄なんかついてないよ!」
『…いや、でも分からなくもない』
「大人しいと厄がついてそうなイメージがあるのだよ」
『じゃああたし厄ついてるね』
「お前のどこが大人しいんだよ」
『どっからどう見ても大人しいでしょ』
「苗字が大人しかったら世界中の人が大人しいのだよ」
「昔は名前大人しかったかったのんだが」
「…赤司、冗談だろ?」
「名前っちが大人しいなんてあり得ないっス!」
『おい』
「…聞きたいなら名前に聞いたらどうだい?」
『無茶なこと言うなよ征十郎!』
「名前っち聞かせてほしいっス!」
まだ猫被っていた時の時代だろうと、涼太に肩を掴まれ揺さぶられる
征十郎が後ろで「あまり良い話ではないよ」と言っているが聞こえていないらしい
注目も浴びるしやめてほしいと考えながら彼の肩を掴む
『りょ、涼太揺らさないで』
「話してくれるんスか!?」
『今度話すから、離して』
「苗字、また時間がかかるのは困るから急ぐのだよ」
『あたしのせいじゃないし!』
「お前が厄がついてるのとか言っていたからなのだよ」
『緑間もおは朝が無かったら厄がついてる気がする』
「…何を不吉なことを言っているのだよ」
「でもさーおは朝のラッキーアイテムが無かったら、ミドチン大変なことになるんじゃな~い?」
「あ、それは分かります」
「ミドリン今日のラッキーアイテム何?」
「くまのキーホルダーなのだよ」
『…よく持ってたな』
「念のために大量に持ってきたのだよ」
まあ元々おは朝信者だから仕方ないのかもしれないけど、とりあえずこれ以上信者にならないことを祈っておこうと考える