第52章 修学旅行 前編
続いてやって来たのはスポーツの神様が居る白峯神宮
修学旅行シーズンだけあり、同じようなスポーツ少年たちが集まっていて境内はにぎやかだ
『全中3連覇祈っとこうか』
「オレがいれば大丈夫だろ」
「青峰っちがいなくてもオレがいれば大丈夫っスよー!」
「人事を尽くしてこそ結果が出るのだよ」
「青峰君、ボクのためにもお願いします」
「…仕方ねーな」
またも15円を取り出してお賽銭箱に入れ、全中3連覇が出来るようにとお願いをする
終えて顔をあげるとテツヤが未だ必死に何かを願っており、彼の健気さにキュンと来てしまった
「ボクあとお守りみたいです」
「テツ君が行くなら私も行く!」
「オレもみたいのだよ」
「あー?じゃあ見とくか…」
「えー、みんな行くのー?じゃあオレも行こっかなー」
「なら行こうか」
「名前っちは何かお守り買うんスか?」
『バスケ系のものがあれば…買おうかな 』
下調べしたときに確かあったはずだよなーと記憶を探り出す
隣にはニコニコした涼太があたしをジーッと見ながら歩いていて、何を考えているのかはよくわからない
「全中3連覇なんてテストで高得点とるより楽勝っスよ!」
「そうだなテストより簡単だわ」
『普通逆なんだけどな』
このバスケバカたちの2人の学力をなんとか上げてくれないだろうかと、今更先ほど行った神宮の神様に追加でお願いする
こんなお願いで成績が上がったら苦労しないだろうが、せめて赤点だけ回避させてくれと思い、授受所へと歩いた