第52章 修学旅行 前編
「…人多くね?」
「暑~い」
「今日の最高気温は今年1番なのだよ」
「毎日更新中ですよね…」
「京都は盆地だから余計に暑いんだよね…」
「盆地って何スか?」
「山に囲まれた平地のことだ。なぜ暑くなるかは理科の気候で習っただろう?」
「覚えてないっス!」
『覚えとけ』
翌日、修学旅行2日目。ブレザーを着るという行為は諦め宿泊場所に置いてきた
手元にある修学旅行のしおりでパタパタと風を送るが、ぬる過ぎてむしろやる気がなくなってきたので風を送るのをストップさせる
予定通り天満宮に来たあたしたちは鳥居の前で一礼し中に入る
こういうマナーに関しては征十郎に任せておけばいいだろう
「名前ちゃんは参拝の仕方分かる?」
『…二礼二拍手一礼…だったかなぁ』
「合ってる。だがその前に御手洗なのだよ」
「御手洗ってなんだ?」
『手とか口を洗うことだよ。柄杓使ってさ』
「…名前さんって以外と物知りですよね」
『以外は余計だ』
そのまま清めを行ったあたし達は参拝に向かう
学力においては1番大事じゃなかろうかと、いつか手こずった勉強会を思い出し振り返って涼太と大輝を見た