第52章 修学旅行 前編
「高校に行ってもバスケ部は続けますか?」
『行けたら続けるよ』
「…名前さんの学力なら、どこでも選べるんじゃないんですか?」
『わかんない浪人しちゃうかも、何起きるか分かんないし』
あたしがこの世界に迷い込んでしまったように、人生何が起きるかなんて本当に分からない
いつまでここに居れるんだろうと少し弱気になると。またいつかの合宿の時のように手に違和感がある
高校も彼らと一緒にいれるかなあと考えながらテツヤにバレないように左手を見ようとすると、少し前を歩く緑間から声がかかる
「黒子、苗字もう少し急ぐのだよ」
『えー運動部についていけるほど体力ないってー』
「…前にボクより速く、みんなと同じペースでと同じ距離走り切りましたよね」
『余計なこと言わないの』
「黒子の言う通りなのだよ。急げ」
『まだ集合時間まで時間あるじゃん!』
「名前」
『…はーい』
「なぜ赤司の言うことは聞くのにオレの言うことは聞かないのだよ」
「名前ちん反抗期なんじゃなーい?」
『一応みんなのお母さん的なポジションらしいんだけどなー』
「…さっきまで嫌って言ってませんでしたか?」
『空耳だよ。うん』
その後ホテルに戻り夕食の時間、バイキング形式に紫原は目を輝かせていた
食事はクラスの男女別々のテーブルだったので彼らと一緒には食べれなかったが、一部のメンバーがとんでもない量を食べていたのだけは見ていたので知っている