第92章 虹色の卒業
しばらくし征十郎達が他の先輩達にも話をしてくると言うのであたし虹村先輩と話をしようと残る
そうすると、まあ必然的に2人になるよね
「#NAME2#の言った通り、親父は生きてんよ
油断できねぇけどな」
『生きてるって…』
「お前がいなかったら…絶対主将やめてたわ」
『…お役に立てて何よりです
これからすぐ、アメリカでしょう?』
「そうなんだよなぁ…
できれば今年の全中見てぇんだけど…無理っぽいな」
『ビデオ録って送りましょうか』
「いや、いい
お前とキセキと6人目が居れば優勝できんだろ
頼りにしてんぜ、新監督」
『…言い方、ずるいですよね』
景色が滲み始めて、ポタポタと地面に涙がこぼれる
…ああ、あたし悲しいんだ
『あいつらまとめられる自信ないんで、留年してください』
「無理だろ
ここにあんの何だと思ってんだよ」
『…卒業証書、ですね』
「あー、もう泣くなよ」
『先輩との別れを悲しんで何が悪いんですか』
「それよりお前はもっと重要なこと忘れてんだろ」
『…そうですね』
ポタポタとどんどん溢れこぼれていく涙を拭い、虹村先輩に向き合う
声が鼻声でも、顔が涙のせいでいつも以上にブサイクでもこれは伝えなきゃいけないんだ
『ごめんなさい
あたしは虹村先輩と、付き合えません』