第51章 もうそろそろ出来る？

「名前さんが考えるメニューって厳しいですよね」

『あたしは真田コーチが考えたやつそのまま征十郎に流してる』

「そうだね。そこにオレが付け足しているのが合っているかな」


何とも言えない表情で征十郎を見つめるテツヤに笑いながら雑談を交わす

仲良く話していると涼太がピタリと動きを止め、息を大きく吐いて眼を細めて前を向いたのが見えた

諦めたのか？と見ていると、そのまま顔を上げる


「憧れるのはもう…やめる」

『今来るのかそれ』


予想外に事態は早かった。このまま1on1でもいいがそれだと修正のタイミングがない

先ほどまで紫原は居たし、緑間も自主練していた。まだ残っているだろうと彼らを呼ぶことにする


『征十郎、紫原と緑間呼んできて』

「3on3で良いかい？」

『いや…ゲームを3対3でお願いしていい？』

「…分かった。緑間なら先ほどまで自主練していたから残っているはずだ、行ってくるよ」

『頼んだ』


急ぎ足で緑間と紫原を呼びに行った征十郎を見送ってテツヤにミニゲームをやってもらえるか確認を取る

コクリと頷いてくれたためOKだと解釈して涼太と大輝の1on1止める


『涼太、とりあえずミニゲームするから。それで大輝のコピーをやってみてよ』

「…ミニゲームっスか」

『大輝と戦うんじゃなくて他の人と戦ってみて、ズレがあるなら修正しても良い
勝てなくても、コピーできればご褒美はあげる…から』

「勝たなくてもいいんスか！やったー！」

『大輝は全力で相手をしてね。手抜いてたら大輝に帝光祭で女装してもらうから』

「だれが手抜くかっつの！つかなんだ女装って！」

『…まあ、今の大輝ならそうなんだろうけど』


本当に変わったなと、汗を拭う彼を見ながら思う。せっかくだしさつきにも見てほしかったが彼女は練習終了してから姿を見ていない

帰ってしまったのかと思いなが待っていると、征十郎がお願いした2人を連れて戻ってきた