第51章 もうそろそろ出来る?
そこにどこへ行っていたのか分からないが、征十郎が拍手をしながら戻ってきた
「見事なスリングブレイドだ」
「赤ちん褒めるのそこ~?」
「名前っち卒業式のときだけじゃなかったんスね…浮気とかひどいっス…」
『何回そのネタ出してくるんだよ…』
なんだか今日は疲れるなあと何度目か分からない溜め息を吐き、伸びた大輝を起こし1on1をするよう指示する
コートの中に走っていく彼らを見届けると、入れ替わりで先ほど拍手をしていた征十郎が隣に現れた
「名前、黒子」
『征十郎、今涼太と大輝が1on1しててさ』
「…オレが言いたかったことを読み取ったのかい?」
『いや違いますけど』
「赤司君は黄瀬君が青峰君のコピーをできると思いますか?」
「できないというわけではないだろう。黄瀬の中にある青峰への憧れさえなくせば出来るはずだ」
この先の展開知っているのか?ってくらい知っているなと語る征十郎の横顔を見る
大輝が練習に戻ってきた今、出来なくても構わない
けれどやると言ったのは涼太だ。たまにはそういう本気も見せてほしい
『今日中にコピー、できるのかなぁ』
「今日かは分かりませんが、できると思いますよ」
「そうだね。黄瀬は青峰と練習後よく1on1をしていた。名前から言われた後は特にね」
『…できたらあたしほっぺにチューかぁ』
「…またそんな約束をしたのかい?」
『いつの間にかそんな流れになってたー』
「まったく名前は…?」
『無理』
「本当にいいんですか?」
『まあ…仕方ないよ』
そう言ってるうちに涼太と青峰が決着がついてしまったので、再び1on1を始める
今日だけで何回の戦いだろうと数えると既に指は折り返す
彼らだけもう少しメニューを増やしてもいいんじゃないかとまた腕を組んだ