第90章 Happy Valentine
「どう?
俺が作ったトリュフの味は」
『…ま、まずくはない』
「ブッフォ!
ツンデレかよ#NAME1#ちゃん」
『あたしのどこにツンデレの要素があるんだよ』
少しヤケになりながらまた1つトリュフを口に入れる
…うん。やっぱり美味しい
「そいやー#NAME1#ちゃん
帝光バスケ部の監督になったんだってな」
『うん
…もう出回ってんだね』
「月バスで見たぜー
バスケ部の聖母!」
『は、はははは…』
「しかも、髪色オレンジになったんだな
目もグラデーションになってるし」
確かめるようにあたしの長い髪を1房取る高尾
その感覚にどこかドキドキする
さらにあたしの眼の色を確かめるためにジッとこちらを見てくる
『み、見るな…!』
「えー、確かめたいんだけど」
『な、何か…ハズい…』
「っちょ、
そーゆーの真面目に反則っしょ…」
『…え、ま、ギャッ!』
高尾に抱き付かれて少しバランスを崩す
だけれども、ベンチのおかげで倒れることはなかった
とは言え…この状態はドキドキする
「#NAME1#ちゃん、マフラーつけてくれてんだな」
『和成こそ、つけてんじゃん』
「あたり前っしょ!
#NAME1#ちゃんからせっかくもらったもんなんだし!」
『うん。分かったけどさ
何であたし抱き締められてるのかな』
「さぁ」
『…』
もう…と呆れた声を出してから溜め息を吐く
とりあえず手元にあるトリュフをラッピングし直して落とさないようにと紙袋にしまう
…何で最近こんなに抱き締められているんだか