第50章 帝光祭なにする?
「名前さん」
『うおっ、テツヤ』
「あの…ボクが推薦されてしまって、いいんですか?」
『え、そんな質問?』
「…ボクにとってはかなり大事な質問なんですけど」
『だってすごい簡単な質問してるんだもん』
「…先ほども言いましたがボクにとっては大事な質問なんです」
『ごめんごめん』
確かに彼はキセキ達に埋もれているからなのか、はたまた影が薄いからなのか「黒子君カッコいい!」という声はあまり聞いたことがない
それでもフェミニストなところと可愛らしいところで隠れファンがいることは間違いないと思うし、事実彼も顔面は整っている
あたしとてさつきの次に可愛いのはテツヤじゃないかと思っているのでなんの疑問も持たなくて良いのではと思うのだが、そういう謙虚なところの彼のいいところだ
『テツヤはカッコいいよ。性格は涼太よりもカッコいいし』
「…黄瀬君よりも?」
『男前だし、不屈だし女子に優しいし!』
「黄瀬君も女子に優しいと思いますけど…」
『あれはファンサービスじゃない?』
「…そうですか。ありがとうございます」
『うん。だから帝光祭まで頑張ろうね』
「もちろんです」
帝光祭に修学旅行に忙しくなりそうだが、去年と同じように倒れるわけにはいかない
今年はみんないるし頼らせて頂こうと考えながら、黒板を消し終わったあたしは短い自由時間を過ごした