第49章 合宿2日目
「あと何話くらい?」
『あとー…15話くらいかな』
「これ1時間もやるんですか!?」
『最初は3時間やろうと言ってたから少なくなった方だよ』
目の前にいる男の子2人を見ると顔は青ざめており、片方の男の子はガタガタと震えていた
もしも肝試しが震えるほど怖かったなら恐るべしテツヤの語り方と、中の様子が気になってくるがとりあえず廊下で待つことにする
「うわぁぁぁぁぁ!」
「出たぁぁぁ!」
「…無理」
「の、呪われる…」
「黒子先輩…弱そうとか言ってすいませんでした…」
「お、オレの後ろ何も憑いてねぇよな!?」
「お、脅かすんじゃねぇよ!」
『…全員、8倍』
「「「「ギャァァァ!」」」
『…もうかなり出てきちゃったんだけど』
その後、残り7話まで減り残ってるのも少ないであろう中、時間を気にする
『夕飯の時間までに間に合うかな…』
「間に合うように1時間にしたんじゃなかったっけ?」
『そのために練習早く切り上げたんだけど…まあいいか。面白いし』
段々と人が減っていき、中にいる人の方が少なくなってきた
なんとか時間内に終わりそうだと征十郎からの合図を受け取った
何話目かの正の字を書いていると、再び勢いよく扉が開いてでかい何かが飛びついてくる
「名前っち!もう無理!怖い!」
『涼太、練習3倍』
「ま、まだ3倍なんスか!?もう少し中に居れば良かったっス…」
『後の祭りな』
あたしの言葉の意味が分からなかったのかクエスチョンマークを頭上に浮かべて首を傾ける涼太
その姿が妙に様になっていてムカついたからデコピンしたあたしは悪くない
『後悔しても遅い。みたいな?』
「…もしかしてきーちゃん、知らないの?」
「名前っちも桃っちも知ってるんスか!?」
『この間授業でやったんだけど』
「きーちゃん授業聞いてないもんね…」
『席近くなったら叩き起こしてやる』
「名前っちと隣の席っスか!?」
『やっぱり起こさないで征十郎にシバいてもらう』
「…赤司君すごいもんねー」
相変わらずテストはすべて100点だし、負けなしで過ごしている
さつきと涼太の征十郎のここがすごいトークを聞きながら、何だかんだまだ彼は頑張っているんだなと今は居ない彼を思い浮かべた